知床硫黄山はシレトコスミレの山として知られています。そして、ヒグマの山としても知られています。
シレトコスミレは見たいが、ヒグマは怖い。迷いのままに年月が過ぎます。

意を決するきっかけは、南の地・沖縄訪問でした。前年の9月でした。現地の方とオオオサランなどの花観察をしながら、
シレトコスミレを話題にしたのです。7月に硫黄山に登ったことを知っていたからです。山の様子や苦労話をお聞きしました。
山の様子が分かると、だいぶ気が楽になれます。

硫黄山登山には万全を期しました。
硫黄山のヒグマの状況は、知床自然センターで尋ねました。今年は山は雪が多く、山よりも麓で出没があるとのことでした。
登山まで2日間は、麓の道の駅で待機しました。1日目(金曜日)の待機は、それまでの花旅の疲れをとるためと
登山者が多い土日に登るためです。2日目は、登山口まで行ったもののガスが濃く、雨の予報もあったため登山を断念しました。
3日目は、道の駅一帯までも濃いガスが立ちこめていました。ダメかと思いながら、ダメなら明日にすればいいつもりで、登山口へ向かいました。

やったーーー! 硫黄山の方向には青空が見えたのです。

硫黄山で見られたその他の花を紹介します。
花畑の雰囲気やここに咲く花を撮影しておかなかったのが、ちょっと悔やまれます。
シレトコスミレとの出逢いに舞い上がってしまったのです。

花畑から硫黄山を見上げます。

<エゾコザクラ>

<ヒメイチゲ>

<エゾノツガザクラ>

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<ツルツゲ>

直径5ミリほどの小さな花です。
退屈で苦難のハイマツ帯でみつけました。
実は赤い球形です。

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<イソツツジ>

各所で小さな群生が見られました。

イソの名が付きますが、海辺の植物
ではなく、低地の湿原や高山帯に生育
します。


イソはエゾが転訛したものとされています。

<画像をクリック>

<ハマヒルガオ>

<ハマボウフウ>

<エゾノシシウド>

葉は1〜2回羽状複葉で、小葉は卵形〜広卵形
質はやや硬くて厚い
葉柄の基部は袋状になります。

<シコタンキンポウゲ>

北海道でも、当たり前にタンポポやキンポウゲが咲きます。
しかし、本土と同じものと思うのは早計で、この地(根室地方)にはシコタンタンポポとシコタンキンポウゲがみられるのです。
茎や葉柄に生える毛が、開出せずに伏せるのが特徴です。

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<チシマフウロ>

<トモシリソウ>

道東地方に稀産する貴重な植物です。知床半島にも見られるようです。
キヨシソウと同じ岩壁に生えていました。
いずれも手の届く場所ではみられず、望遠での撮影です。

<画像をクリック>

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その2
” 〜 海岸植物など 〜 ”    
 

<フタマタイチゲ>

ハナシノブの仲間はよく似ていますが、小葉が細長く、花序に腺毛と細毛が密生し、
萼裂片が筒部よりわずかに長いことが特徴です。

茎が上部で2つに分かれて見えるのが特徴です。

<サイハイラン>

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<ユキワリコザクラ>

別の草原でみつけたものです。

<コミヤマキンポウゲ>

<ミヤマスミレ>

<アイヌタチツボスミレ>

<ウコンウツギ>

いずれも残り花です。

<チシマヒョウタンボク>

<タカネタンポポ>

夕張岳には、よく似たエゾグンナイフウロがある
との情報を持っていましたが、葉の様子などから
チシマフウロと判定しました。

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<画像をクリック>

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<ユウバリアズマギク>

<シソバキスミレ>

なかなかみつけられないとの情報から、
半ば諦めていた花です。
やはり、登山道から離れた場所に目を凝らし、
運よくみつけることができました。
うれしかった〜〜〜! 

望遠で丁寧に撮影しました。

(画像にポインターをおいてください)

<ユウバリソウ>

全体に小型で、葉の切れ込みは
アポイキンバイとミヤマキンバイの中間
といったところでしょうか。

近くにはミヤマキンバイも見られました。

下方はユウバリキンバイのようです。

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<チシマキンバイ>

<センダイハギ>

<イソオオバコ>

<画像をクリック>

<画像をクリック>

他の場所に移動します。

<エゾノカワラマツバ>

<エゾノキリンソウ>

<画像をクリック>

<画像をクリック>

出発から1時間ほど。展望台辺りから見えていた硫黄山が、少し大きくなったようです。

<シラタマノキ>

<ハナヒリノキ>

(画像にポインターをおいてください)

<画像をクリック>

夕張岳は、何度か計画を立てたのですが、多雪や道路の崩壊などで断念した経緯があります。
シレトコスミレの知床硫黄山は、ヒグマの出没が怖くて、勇気が湧きませんでした。
そして、オオフガクスズムシソウ(エゾクモキリソウ)、エゾノハナシノブ、トモシリソウ、キヨシソウ、フタマタイチゲなど、宿題になっている北海道の花が多くありました。
今回の花旅でも、花の情報を集める過程で、うれしいふれあいがありました。
日頃北海道の花観察でお世話になっているご夫妻と、ご夫妻に紹介していただいた方で、心温まる文面で、
多くの貴重な情報をいただきました。
改めて、お礼申しあげます。

以前、知床五湖巡りをしました。鈴を付け、個人又は
グループで巡った記憶があります。

そのつもりで入ろうとすると、止められました。
ヒグマの出没時期にあたり、有料での引率で入場が
可能とのことでした。これが意外と高額で、正直唖然
としましたが、ルールであれば仕方ありません。
すごすごと引き返しました。

それでも、ネムロコウホネを見る機会がありました。
光学1400倍相当の望遠で、ようやく撮影できた画像です。

<ナミキソウ>

北海道〜九州の海岸砂地に生えます。
ちょうど咲き始めの新鮮な花が多かったです。

<画像をクリック>

<テンキグサ>

海岸の砂浜に群生することがあるイネ科の植物です。
数年前、同行者に名を教えてもらいましたが、すっかり忘れてしまいました。

<画像をクリック>

北海道東部、北部に特産するキク科植物です。黄色い花を咲かせます。
花を咲かせていてもいい時期ですが、今年はまだ蕾でした。

今回の花旅では、大変お世話になった方がおります。いつもお世話になっている札幌のご夫婦と、ご夫婦から紹介いただいた方です。
貴重な情報いただき、どれほど感謝しても足りません。
ありがとうございました。

<オオフガクスズムシソウ>

<画像をクリック>

岩壁には黄色い花もいくつか見えました。その中で見覚えのない花が一つありました。
望遠レンズを通して見ると、キンバイの仲間のようです。花は大きく5センチほどでしょうか。大きい花です。
何だろうと思案して、思いついたのがこの名です。今度の花旅でチェックしていた花です。
図鑑で確認して確信しました。
思いがけない場所での出逢いがうれしかった。

<画像をクリック>

礼文島と根室地方に分布します。礼文島では山の草原や道端に当たり前に生えていましたが、根室地方では
生える場所は限られるようです。左は海岸の高い崖、右は海岸近くの草原に生えていました。

<ネムロシオガマ>

<画像をクリック>

<エゾノハナシノブ>

<クシロハナシノブ>

夕張岳登山の翌日は、予報通り雨になってしまいました。でも、夕張岳の登山日を変更し、成功裡に終えた好判断に
自己満足し、 ルンルン気分で予定していた観察地に向かいます。
ここでまた幸運が・・・。観察地に着くと雨は上がったのです。そして、終わっていると思われたエゾノハナシノブや
モイワランが見られたのです。

以下、花紀行コースとは順不同で掲載します。

夕張岳の吹き通しでは、ゆっくりと花を堪能しました。
目的の花は全てみつけることができましたし、山頂まで行っても、新たな花はのぞめないと判断したからです。

吹き通しで撮影していると、追い抜いて行った登山者が次々と戻ってきます。
いかにも山ガールといった二人組、若いカップル、中年のご夫婦・・・、それぞれ再度挨拶をして別れます。
初老といっていいオバサン方は、どこでも元気です。撮影している背をにぎやかに通り過ぎていきます。

ハプニングが一つありました。山梨県の観察会でご一緒したご夫婦と遭遇したのです。
お互いに見覚えがあり、名乗ってみると、お相手はピテカン&カッパさんでした。
芦別岳でエゾルリソウを見て、今日は夕張岳、明日も次の山に登るそうです。お強いお二人です。
遠方の地で知り合いに遭遇するのは、よく聞く話です。
ちょっとした名乗りで、お互い”あ−!”とした遭遇があるかもしれません。

吹き通しの花に満足し、登りに気になっていた花を確認しながら、山を下ります。

このユウバリキンバイはちょっと?です。
ユウバリソウとのツーショットが気に入りました。

<ミヤマキンバイ>

小型で花を1〜2個付けるものは品種として
コミヤマキンポウゲの名が付けられています。
夕張岳に産しますが、画像がこれにあたるのか
確証はありません。

夕張岳には、このような花が少ないものが多く見られました。
一方で広く群生する姿も見られました。

別名ユウバリタンポポ。
葉の切れ込みが深いことが特徴で、総苞片に角状突起はありません。
環境省絶滅危惧IB類(EN)、北海道絶滅危急種(Vu)に指定されています。

<エゾノリュウキンカ>

径1センチにも満たない小さな花です。でも、純白が光り輝いて見えました。

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<エゾノヨモギギク>

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<画像をクリック>

<モイワシャジン>

北海道〜東北地方の山地の岩場などに生えますが、
海辺の岩上に生えることもあります。

硫黄山に登る前の日ではまだ蕾でしたが、
山から下りてきた夕刻には花を開いていました。

その3
” 〜 そして、再び海岸植物など 〜 ”

ホソバトウキは、高山帯の蛇紋岩地に生える植物です。
アポイ岳での撮影がありますが、この地のものは更に葉が細いと思われました。ここも蛇紋岩地です。

<ホソバトウキ>

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海岸の岩場、内陸沢沿いの岩場などに生える多年草で、高さは40〜80センチと図鑑にはありますが、この産地のものは
優に1メートルを超えていました。花の盛期にはまだ早く、茎とともに花全体が紅く染まっていました。
図鑑やネットの画像とは、少し異にしていますが、バシクルモンとしてよいものと思います。

<バシクルモン>

<画像をクリック>

<画像をクリック>

北海道〜本州に生える植物ですが、産地は限られ、なかなか出逢えません。
今回の花旅でエゾモメンヅルをチェックする過程で、この名を知りました。感謝の出逢いです。
なお、エゾモメンヅルは、勘違いがあって見過ごしてしまいました。

信州で、かつて見られたとされた場所では消えていました。もう6、7年前のことです。
以来、この花を探していました。想い入れのある花です。
ようやく見つかって、感謝です。

下山は、前後して下るパーティーがいたためヒグマの心配がなく、かなり早いぺースで下ることができました。
それでも、雪渓下りを終えアイゼンを外していると、近くの木々が揺れます。笛を吹いて存在を知らせます。
風で揺れたのかもしれませんが、ドキッとする一瞬でした。

雪渓には、いくつか糞が残っていました。今回は幸いにも遭遇はありませんでしたが、細心の注意が必要です。

そして、繰り返しになりますが、駐車場に車が2台停まっていたことから先行者がいると判断し登り始めましたが、
結果的にはこの日の先頭で、単独行でした。反省すべき点と考えています。

ここで、一つ出来事がありました。
雪渓を降りてくるパーティーとすれ違いました。羅臼岳からの縦走者です。
私より先行する方がいないか、尋ねます。誰ともすれ違わなかったと言います。
ということは・・・、私が先頭でした。ヒグマの露払いはいなかったのです。
今更ながら、ヒグマと遭遇しなくてよかったと、胸をなでおろします。

雪渓の傾斜は比較的緩やかで、アイセンがなくても歩けます。
でも、疲れを考えると、簡易アイゼンを付けた方がいいでしょう。
白馬大雪渓ほどではないにしても、とにかく長いです。
雪渓を登り切るとシレトコスミレが見られるはずです。それを励みに、ひたすら登ります。

多数の花を下向きに咲かせます。
花が終わると上向きになり、花柱が目立ちます。

その3
” 〜 硫黄山 〜 ”

北海道ではこんな景色がよく見られます。ここではオオハナウドでしたが、エゾノシシウドの時もあります。
オオハナウドは、花が特徴的で、一番外側の花弁は2つに裂けます。

まだ少なかった。

葉裏は白です。

<エゾツルキンバイ>

海岸の塩湿地に生える植物です。
久しぶりに見ました。
なかなかきれいです。

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北海道の東部から日高地方の海岸近くに生える大型のタンポポです。岸壁に貼り付いている姿も見られました。
総苞片は緑色で、反り返りません。

<シコタンタンポポ>

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背丈は15センチほどです。
葉は厚く縁には毛がありました。
エゾオオバコほど毛深くないので、
イソオオバコとしました。

元サイズの画像で見るとキヨシソウ2株を
みつけました。花も残っていました。

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<キヨシソウ>

同じ岩壁には様々な植物が生えていました。

<シナノキンバイ>

キンバイソウは夕張山地の固有種を期待しましたが、本州でもよく見られるシナノキンバイでした。

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<ミヤマダイコンソウ>

同様に、遠くにみえた黄色い花を確認すると、ミヤマダイコンソウでした。

<画像をクリック>

<イワウメ>

ガマ岩の壁に群生していた白い花は、超望遠で確認すると
イワウメでした。
ジムカデも撮影されていました。

大雪山で、大株がいくつも見られました。
夕張岳では1〜4花までで、大株は見られませんでした。
でも、久しぶりのご対面です。

<エゾミヤマクワガタ>

蛇紋岩地に生える植物です。
葉が紫色になり、特徴的です。

<クモマユキノシタ>

大雪山系に比べると、多くはありませんでした。
時期的に、まだ早かったのでしょう。

<画像をクリック>

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大きな葉はユギバヒゴタイです。
8月の盛期には多くの花が見られそうです。

この花の花期は6月中〜下旬です。林道の開放が遅れると花期を過ぎることがあり、いつも林道の開放日には注意を払っていました。
今日は6月29日です。残っているか、気にしながらの登山でした。 そして・・・、
思いの外きれいな花が残っていて、ホッとしました。

<画像をクリック>

ミヤマアズマギクの品種で、根生葉が細く、茎や葉に毛が多いのが
特徴とされています。
同じ品種として、アポイアズマギクキリギシアズマギクなどが
知られています。

<ユウパリコザクラ>

そして、主役たちの登場です。

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フギレオオバキスミレとの違いが気になっていましたが、やはり、バランス的には葉は小さめです。
群生していましたが、個体数は思いのほか少なかったと思います。

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<ノウゴウイチゴ>

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<エゾノレイジンソウ>

白花との同居が当たり前の景観です。

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突然、シラネアオイが群生する姿に遭遇しました。  
おっ! 白花だと思った直後、白花の方がむしろ多いのに気付きました。
これほどの群生は初めてです。林の奥まで続いています。

<シラネアオイ/シロバナシラネアオイ>

<ヒメシラスゲ>

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<ミヤマラッキョウ>

花の直径は2センチほどです。
雄しべは花被片より飛び出します。

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<ヒロハノトンボソウ>

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<オオハナウド>

<ミヤマキヌタソウ>

<エゾネギ>

花は直径3〜4センチほどもありました。
明らかにアサツキよりも大きいです。

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<カワラボウフウ>

北海道〜九州の山地の岩場などに生える多年草
画像は大きな川沿いに群生していました。

<画像をクリック>

<エゾノコウボウムギ>

茎が3稜形であることを確認しました。

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夕張岳方面遠望 / 前岳湿原付近より 中央はガマ岩 左手を巻いて山頂に続く

その1
” 〜 夕張岳 〜 ”

その3 〜硫黄山・そして〜 トップに戻る









<画像をクリック>

<モメンヅル>

<ウミミドリ>

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その2へ
” 〜 海岸植物など 〜 ”
 
 

その3へ
” 〜 硫黄山・そして 〜 ”

  

花 紀 行”

<画像をクリック>

おおよそのコースタイム(撮影時間含む)
カムイワッカ湯の滝駐車場5:15−展望台5:50−ハイマツ帯入口6:50−沢出合7:45−(雪渓登り)−
標高1350m付近(雪渓終了)9:10−硫黄山分岐−花畑  シレトコスミレ等撮影9:20〜11:40    
(下山)−(雪渓下り11:50)−沢出合12:14−ハイマツ帯入口13:00−カムイワッカ湯の滝駐車場14:10

<ネムロコウホネ>

<メアカンキンバイ>

<画像をクリック>

このすみれに逢いたかったのです。
予想したとおりの場所でみつけることができました。1株みつけると、次々とみつかります。
荷をおろし、カメラを三脚にセットし、じっくり撮る体勢です。 さあ! 楽しい撮影タイムの始まりです。

そして、今日の主役の登場です。

塩湿地の定番です。

<ハマツメクサ>

<ウスベニツメクサ>

<画像をクリック>

<ハマハコベ>

<ミヤマトウキ>

葉の切れ込みが深かったので他を疑ったのですが、
やはりチシマフウロでしょう。
海岸近くの草原に生えていました。

チシマフウロは高山の草地〜道東方面の海岸に生え、
生える環境は幅広いようです。

<エゾタカネスミレ>

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そろそろ尾根に出る頃です。待ちわびた花たちが見られるだろうか。

<画像をクリック>

<チシマフウロ>

<ユウバリキンバイ>

<ヒメゴヨウイチゴ>

〜 2015年 北海道 夕張岳・硫黄山・そして 〜
2015.6.27 〜 7.9 

その3
” 〜 そして 〜 ”

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<チングルマ>

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<シレトコスミレ>

<画像をクリック>

<画像をクリック>

<エゾフウロ>

<画像をクリック>

<シバナ>

<画像をクリック>

岩壁の上はちょっとした花畑です。ヒオウギアヤメ、エゾキスゲなど・・・。

サクラソウの仲間と思われる葉が岩壁に沢山見られました。花は皆終わっていました。残念な想いでしたが、救いはありました。
1花だけ花を残しているものをみつけたのです。うれしいものですね。
北海道では東部から日高にかけての海岸や草原に多く見られるようです。花期は5〜6月です。
花を終えた葉は多かったので、機会があったら、再訪したいです。

残り花です。花期は5〜6月上旬なので、
よく残っていてくれました。感謝です。

北海道の藻岩山で発見されたことから、この名があります。
その後、四国や中部、関東でも発見されました。
中には葉があるものも見られるとの報告もあります。
変種扱いなどの議論が持ち上がりそうです。


→ 紫色が濃かったのでモイワランとしていましたが、
   サイハイランでした。

ナンブイヌナズナといえば早池峰山です。夕張岳でも、大小の株が見られました。

<ナンブイヌナズナ>

<画像をクリック>

<画像をクリック>

<エゾタカネツメクサ>

夕張岳は、やはり花の山です。  ユウバリの名が付く花の他、多くの花が見られました。

<タカネグンバイ>

まだ咲き始めです。蕾も見られました。

<エゾウサギギク>

<フギレキスミレ>

紫色の萼片が落ち、花弁がむき出しになっているものも見られました。

<ミヤマハンショウヅル> 

<画像をクリック>

冷水コースは地味な花から撮影スタートです。

<エゾスカシユリ>

<エゾキスゲ>

<ゼンテイカ> (ニッコウキスゲ)

<ハマナス>

<コウボウシバ>

こちらはコウボウシバのようです。

おおよそのコースタイム(撮影時間含む)
夕張岳登山口駐車場7:30−(冷水コース)−馬の背分岐9:10−望岳台9:35−前岳湿原10:20−ガマ岩−
吹き通し11:20-13:00    
(下山)−(馬の背コース)−夕張ヒュッテ16:10-16:40−夕張岳登山口駐車場16:50

<画像をクリック>

主な行程
東京自宅−大洗港(フェリー)−苫小牧港−
夕張岳登山−札幌周辺花観察−道東方面花観察(浦河・霧多布・根室・野付)−
羅臼−知床−硫黄山登山−
原生花園−北見周辺花観察−
苫小牧港(フェリー)−大洗港−東京自宅

その1 〜夕張岳〜 トップに戻る

その2 〜海岸植物〜 トップに戻る

熊への注意について付記しておきます。
ワッカ原生花園は、熊出没のため入園禁止になっていました。
札幌近郊の観察地では、案内所で熊には注意するよう指示がありました。朝夕の時間帯、雨の日は、特に
注意してくださいと、アドバイスいただきました。また、札幌近郊でも熊出没のため入山禁止になっている山があると教えられました。
トラックが頻繁に行き交う道路から少し入った脇道には大きな熊の糞を発見、慌てて鈴を取り出し、撮影の合間には笛を吹きました。
例年以上に熊の出没機会が多くなっているようです。ご注意ください。 

<エゾスカシユリ>

<画像をクリック>

エゾノクモキリソウ、コウライスズムシソウの別名
があります。

暗紫褐色の花の色が濃く、唇弁が厚くて縁が
内側に巻き込む特徴があります。

当初はセイタカスズムシソウとされていましたが、
前記の特徴から別種とされました。

花の雰囲気的には、セイタカスズムシソウよりも
フガクスズムシソウに似ています。

シレトコスミレは硫黄山山頂直下でも見られました。
この場所はちょっとした花畑です。メアカンキンバイ、ミネズオウ、エゾツツジ、エゾコザクラ、エゾノツガザクラ等々・・・
ロープも張られていないので自由に歩くことができますが、これがちょっと気後れがしてしまいます。あまりにも花が多いのです。
足元にはシレトコスミレの葉も沢山見られます。踏んでしまいそうです。結局、立ち入ることなく、花探しはしませんでした。

あとで知ったことですが、もしかしたら、メアカンフスマもあったかもしれません。後悔です。
これも後で知ったことですが、メアカンフスマは更に1時間ほど登った知円別平という所に咲くようです。
でも、そこまでは体力的に無理だったでしょう。諦めがつきます。

<エゾイヌナズナ>

トモシリソウと同じ岩壁に生えていました。
トモシリソウのつもりで撮影しましたが、画像を見てがっくりです。

キヨシソウとトモシリソウは道東方面に生える貴重な植物です。今回の花旅で、何としても探し出したかった植物です。
でも、当初狙っていた場所ではみられなくなっているという情報を得ました。
不安がひろがりましたが、救いをいただきました。候補地を2つ教えていただいたのです。ありがたいことです。
両者とも、海岸の切り立った岩壁に貼り付くように生えていました。
花期は5〜6月で、花は終わりかけです。でも、うれしかった!

<画像をクリック>

箱根湿生花園で見てからずいぶん経ちます。
自生の出逢いに憧れていた花です。

花期的には遅く、諦めていました。
そんな時に不意の出逢いです。
うれしかった〜!

この他、ツバメオモト、マイヅルソウ、ツマトリソウ、ムシトリスミレ、ミヤマカラマツ、シロウマアサツキ蕾、ミヤマトウキ、
タカネクロスゲ、未同定のカヤツリグサ科とイネ科の植物などが見られました。

夕張岳、硫黄山をメインとする北海道花旅は、大きな成果を得て、無事に終えることができました。
メインにも増して大きな成果を得られたのが、オオフガクスズムシソウ、モメンヅルなど貴重な植物との出逢いです。
私がモットーとしている ”花との出逢いは人との出逢い” を実践する花旅でした。

いつもお世話になっている札幌のご夫婦には、今回も力をいただきました。
ご夫婦に紹介いただいた方は、北海道のさらなる光を見た想いです。
沖縄のご夫婦にも、大きな後押しをいただきました。
群馬の師匠からも、あたたかい言葉をいただきました。
知床自然センターでは、ヒグマの情報とシレトコスミレが無事に見られるよう励ましをいただきました。
霧多布自然センターでは、撮影には遠かったですが、ネムロコウホネの情報をいただきました。
疲れを癒した羅臼熊の湯(無料天然温泉)では、漁師さんと語らい、濃霧のときの対応を教えてもらいました。

そして、
車中泊した道の駅での出逢いは、人生模様を見る想いでした。
キャンピングカーやワゴン車で全国を巡るご夫婦や単独者、軽ワゴン車を工夫改良して愛犬とともに旅するご夫婦、
広島、大阪、栃木の3人が合流し羅臼岳登山を共にする不思議な縁、なぜか2度も3度も道の駅や立ち寄り湯で
再会する縁、帰りの船でも見覚えのあるワゴン車が見られました。

楽しい人との出逢いをありがとうございました。花との出逢いをありがとうございました。

<イソスミレ>

7月のこの時期まで花が残っていました。
花期は5月です。 驚きです。

<画像をクリック>

何度か足を運んだ海岸です。今回も寄ってみることにしました。
季節が変わると、いろいろな花が見られます。

駐車場には5時前に着きました。車が2台停まっていました。先行者がいたようです。
ヒグマの露払いをしてくれているかもしれません。同行をしてくれる方を待つつもりでしたが、出発することにしました。
鈴を2個鳴らしながら、周りに細心の注意をしながら歩きました。撮影時は笛を吹きました。

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今では登山道近くでは見られなくなっています。
遠くの草地に注意ながら、丹念に探さなければなりません。いずれも超望遠で撮影したものです。

東北周辺で低気圧に遭遇してしまったため、フェリーの到着が5時間の大幅遅れになってしまいました。
お蔭で、北海道の花散策ではいつもお世話になっているご夫婦との再会をお約束することは、断念いたしました。
残念でしたが、次の楽しみにいたします。

夕張岳の登山予定日は天候悪化が予報されていたため、1日早めました。
これが好判断で、いい日和の花観察を楽しめました。

<画像をクリック>

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