” 花 紀 行 ”
  

チョウカイフスマが咲く平地は、ミヤマウスユキソウが咲く平地でもありました。
各所で固まりを作り、ときに誇示するように、ときに草陰に隠れるように咲いています。
ハヤチネウスユキソウに劣らぬ美しさです。

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<ミヤマキンポウゲ>

<ミヤマダイモンジソウ>

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今では見慣れた花となってしまいましたが、
規則正しく群生する姿は、いつも美しい。

<ミヤマウスユキソウ>

この山のミネカエデは背丈が低く、いずれも見下ろす景観で生えていました。
雪が多くて高くなれないのでしょうか。

早池峰山、秋田駒ヶ岳に続けて登った翌日は、移動日(休養日)にしました。
田沢湖畔から鳥海山の麓までの100Kmほどをゆっくり走ります。

鳥海山の駐車場まで30分ほどの海岸にテント場を決め、鳥海山の案内所まで、情報収集に向かいます。

途中から土砂降りの雨になりました。旅行中初めての雨です。
雨はすぐに止んだものの駐車場までの林道は深いガスに覆われ、視界がほとんどありません。
何度も引き返そうと思ったほどです。
何とか駐車場につき、登山者に様子を伺います。
1時間も登らないうちに、足下もみえないほどになり、雪渓歩きが怖くなり引き返してきたそうです。
もう一組のペアも同様でした。

案内所では、明日は天気は回復するとのこと、チョウカイフスマはある場所まで行けば見られるかもしれない
とのことで、不安は解消しました。

テント場に戻ると青空になり、寄せる波の音を聞きながら、明日へ想いを馳せます。

その1 早池峰山とその周辺
その2 秋田駒ヶ岳とその周辺





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青空も見え始め、流れる白い雲、新緑の草原、残る雪渓の白、・・・
広々とした鳥海山の裾野に抱かれながら、ゆっくり散策し、下ります。

想えば、この東北花紀行は、梅雨の最中にもかかわらず、登山中一度も雨に会いませんでした。
極めて幸運だったと言えましょう。

早池峰山の口の重い案内人とボランティアの方々、うすゆき山荘で飲み交わした4人のパーティー、
秋田駒ヶ岳で私に代わってオノエランに感動の言葉を発してくれた女性達、

平日で客の少ない食堂で話し相手になってくれた田代湖畔ホテルの従業員、
鳥海山で行き交い言葉を交わした登山者の方々、そしてはるばる羽黒山で合流し銘酒を飲み交わした友人、・・・

この花紀行も、多くの方々との出会いがありました。
すばらしい花と人との出会いです。

この想いを、我が息子に語りたい。

<ハクサンシャジン>

登山道脇に屈んで撮影していると、“山頂近くに沢山咲いていましたよ!” と、下ってきた登山者から情報を頂きました。
ここに来るまでは咲き始めているか心配だったのですが、今年は開花が早かったのでしょうか。
既に上の方まで咲き始めているようです。

興味はそそられましたが、この地にもチョウカイフスマは見られ、すばらしいお花畑です。
友人と羽黒山の麓で合流する約束もあり、この地でのんびり花散策をすることにしました。

ミヤマウスユキソウ、ホソバイワベンケイ、ハクサンシャジンなど、まだまだ花は咲き始めたばかりです。

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<チシマウスバスミレ?>

<ミヤマツボスミレ>

<オトギリソウ>

<オニシオガマ>

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<ミヤマダイコンソウ>

<ショウジョウバカマ>

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小屋の前はお釜が広がり、まだ雪が多く残っています。霧がかかり、そしてあっという間に青空さえ見え始めます。
周りは黄色や赤白のお花畑です。

いつまでも座っていたいところですが、チョウカイフスマが咲いているか気がかりです。先に進むことにしました。
早池峰山のミツバオウレンは、葉が極端に小さかった。

鳥海山ではポツリポツリ見られ、撮影意欲にかられるほどの
群生する姿には、出逢えませんでした。
雪解け後の傾斜地では
定番の植物です。
歩き始めて間もなくしてこの花が現れました。
黄色い花も見られます。こちらはハナニガナと呼ばれます。

道は良く整備され、緩い傾斜で、歩く易い尾根道です。
時折現れる雪渓を越ながら、ゆっくり進みます。

マルバシモツケとオトギリソウ

海岸線を花探ししながらゆっくり走らせていると、古い石垣がありました。いろいろな花が付いています。

セリ科はハマイブキボウフウでしょう。
ツリガネニンジンと思われる花も見られますが、茎は太く毛深くて、ちょっと様子が違います。
キク科のものは名前が分かりません。

山だけに生える植物と思っていました。

みつけたときは、えっ!
と声を出してしまったかもしれません。

〜 東北の三山:早池峰山、秋田駒ヶ岳、鳥海山 〜

2010.7.4〜7.10

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山を背景に撮りましたが、花は影になってしまいました。
こんなときはストロボを使うといいのでしょう。あとで思い出しました。

<ホソバイワベンケイ>

あったー! 
これ、これ! この花を見たくて、この山に登ってきたのです。

ホソバイワベンケイの脇に、控えるように花を開いていました。
いつものことながら、目的の花をみつけたときの興奮は、
何とも言えぬうれしいものです。

腰を落として、じっくり見入ります。

荷を下ろし、周りを散策すると、大小、多くの株が見られました。

固まって幾つかの花を付ける姿もいいですが、
一輪だけぽつりと咲く姿もいい。
夢中で撮影しました。

鳥海山を背景にできる一群をみつけたときは、興奮は最高潮です。

早池峰山でも見られましたが、この山のものはエゾウサギギク
のようです。

<エゾウサギギク>

みつけました。チョウカイアザミです。さすがにまだ開き切っていませんでしたが、
くも毛が誕生を象徴するようで、愛しく感じました。
葉はすでにチョウカイアザミらしい豪壮さがみられます。

<チョウカイアザミ>

今回の花旅は尾根歩きが多かったせいか、
1ヶ所のみで見られました。
祠の岩陰でした。

やはり雪の多い山なのでしょう。各所に雪渓が残り、
新緑と白の美しいコントラストを見せてくれます。
雪解けとともに咲いたチングルマが、今を盛りと咲いています。

<チングルマ>

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登山道脇に咲き連なるミヤマツボスミレから離れ、
草陰の奥にひっそりと咲いていました。
この個体のみでした。

チシマウスバスミレと思われましたが、
葉の縁に微毛が確認されず?です。


後日、福島県で本種に出逢い確認しました。
後後日日

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<ハマイブキボウフウ>

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<キバナノコマノツメ>

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ハクサンシャジンでしょう。
まだ咲き始めで背丈も20センチほど。蕾も多くみられました。

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<チョウカイフスマ>

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<コバイケイソウ>

<ツマトリソウ>

数輪がみられました。まだ、これからなのでしょう。

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<イワイチョウ>

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<ミツバオウレン>

黒点や明点から、オトギリソウと思われました。

<シロバナハナニガナ>

<シロバナミヤマツボスミレ?>

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各山で見られましたが、いつも撮影は後回しでした。
そろそろ花旅も終わりです。撮っておくことにしました。

<ニッコウキスゲ>

ミヤマツボスミレと混在している純白の菫をみつけました。
ミヤマツボスミレと混在しているので、ミヤマツボスミレの
白花品と思い、夢中で撮りました。

この後ミヤツボマスミレは多く見られましたが、
白花に出逢うことはありませんでした。

” その3 鳥海山とその周辺 ”

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<ミネカエデ>

翌朝、案内所の予報のとおり天気は回復しました。
鳥海山の駐車場への林道は、前日の深いガスとはうって変わって、下界まで視界が開けています。
オニアザミなど、林道沿いの植物を気にかけながら、ゆっくりと鳥海山の駐車場に向かいます。

前日は見えませんでしたが、駐車場は広く、ゆったりしています。
団体が一組、準備体操を終えて、出発していきました。

さあ、気分は上々! チョウカイフスマは咲いているだろうか。

<キバナノカワラマツバ>

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当初は名前が分かりませんでした。
陽射しの強い海岸に生えるものは葉が厚く、背丈が低いようです。

<キリンソウ>

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