山野の湿った草地、林縁などに生える1年草で、高さは50〜80センチ。葉は互生し、菱状楕円形で、先は尖り、縁には鋸歯がある。
花序は葉腋から斜上し、7〜8花を付ける。花は紅紫色で長さ3.5〜4センチ。花弁は3枚で、基部で合着する。距は著しく渦巻状に巻き込む。果実は紡錘形で、長さ1〜2センチ。花期は8〜10月。北海道〜九州に分布する。
〜徒然想〜
奥多摩の里に近い山林でよく見かけます。奥多摩御岳山の8月はレンゲショウマで賑わいますが、同じ時期にその一角で奇抜な花を咲かせます。熟した果実に少し触れるだけで種をはじき飛ばします。
おばあちゃんに連れられた孫が、”わあー、この花おもしろい!”と歓声をあげました。普通は大人でもあまり興味を示さないのに、歓声をあげるとは、将来植物の大家になるかも・・・。
北海道から九州の山野にふつうに見られる花です。茎は赤みを帯びます。花の後ろにある距の先は、くるっと巻き込みます。もう少し詳しくこの花を観察しなければと思いながら、あまりにも見る機会が多いためか、後送りになっています。
仲間にハガクレツリフネ、エンシュウツリフネなどがあり、ワタラセツリフネソウもいろいろなタイプがあるようで、課題が残っています。
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