イワオウギ

マメ科 イワオウギ属

        2004.7.24 八ヶ岳


低山帯上部~高山帯の岩場や礫地に生える多年草で、高さは10~80センチ。小葉は奇数羽状複葉で5~12対、小葉は狭卵形~狭楕円形で、長さ1~2センチ。托葉は披針形で、褐色の膜質、葉に対生する側でほとんど先端まで合着する。
花は総状花序になって10~30個付き、黄白色で、1.2~2センチ、花序の中軸と花柄に上向きの白い短毛が生える。果実は2~4個の小節果からなる。花期は7~8月。北海道~中部地方以北に分布する。


~徒然想~

八ヶ岳や北岳の尾根では多く見られる。山を背景にした写真もいいが、森の中で静かに暮らす姿もいい。朝露を受けて首を垂れる姿は、清楚で美しい。
似た種にシロウマオウギタイツリオウギリシリオウギなどがあるが、識別は難しい。

白馬岳の花畑にはイワオウギ、タイツリオウギ、リシリオウギ、シロウマオウギが隣りあって咲く場所があり、指導員がそれぞれの違いを説明しています。
4つを同時に見比べることができ、よく分かります。
ん、でも4つ並ぶとはあまりにもでき過ぎ・・・・・? わざとらしさを感じますが、ま、あまり固いことは言わないことにしましょう。

-同じ科の植物-

2005.7.23 長野県栂池
2006.8.11 山梨県北岳 2006.7.22 長野県八ヶ岳
2005.8.8 長野県八ヶ岳 2008.8.11 長野県白馬岳

開花時の特徴
花の特徴 葉の特徴 萼などの特徴
イワオウギ
(イワオウギ属)
黄白色、長さ14~20mm
1花序に10~30個
苞は線形
5~12対、長さ10~20mm
表面は無毛、裏面に長毛
托葉は褐色の膜質
花序の中軸と花柄に
上向きの白い短毛
シロウマオウギ
(ゲンゲ属)
白色、長さ12~15mm
1花序に5~10数個
苞は線形で小さい
5~8対、長さ8~20mm
表面は無毛、裏面と縁に白色伏毛
托葉は狭卵形
茎や茎軸に黒毛
萼の全体に黒色伏毛
タイツリオウギ
(ゲンゲ属)
黄白色、長さ約20mm
1花序に5~10個
苞は披針形
6~11対、長さ10~20mm
表面は薄く、裏面は厚く白い軟毛
托葉は狭卵形で先が尖る
茎や茎軸に白毛
花柄、萼に黒色短毛
リシリオウギ
(ゲンゲ属)
黄白色、長さ約15mm
1花序に5~10個
苞は卵形で大きい
3~5対、長さ15~30mm
4つの中で最も大きい
表面は無毛、裏面は薄く軟毛
托葉は卵形
茎や茎軸に白毛
萼縁に黒色短毛

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