ユモトマムシグサ

サトイモ科 テンナンショウ属

 
2015.5.14 東京都奥多摩   2006.6.17 栃木県庚申山

山地〜亜高山帯の林下などに生える多年草で、高さは15〜50センチ。花序が葉より早く展開する。葉は2個、ときに1個で、偽茎部と葉柄部はほぼ等長。偽茎部の開口部は花序柄に密着し、襟状に開出しない。小葉は5(〜7)枚で、狭楕円形〜披針形、ときに不規則な鋸歯がある。花序柄は葉柄よりはるかに長い。
仏炎苞は、通常は緑色で白条は目立たない。まれに全体が紫褐色のものがある。筒部は淡緑色、口部はやや開出し、舷部は長卵形で先は次第に尖り、ときにやや鈍頭。付属体は淡緑色で、棒状〜棍棒状。花期は5〜6月。本州中部、北部に分布する。


〜徒然想〜

庚申山は岩の山、コウシンソウが咲く山として知られていますが、その生息地は次第に少なくなっています。
この時期の登山者の挨拶は、“花(コウシンソウ)は咲いてましたか?”、期待を込めた目で問いかけてくる。“咲いていましたよ!”と返事することがうれしい下山になりました。

山の中ほどではこの花が、登山口付近ではヒトツバテンナンショウが見られました。

東京都奥多摩や八ヶ岳山麓でも本種と思われる花に出逢い、比較的普通に見られる花なのではないかと思っています。緑色の花序と棍棒状の付属体などを指標にしています。
図鑑によれば、八ヶ岳地域のものにタカネテンナンショウの名が付けられています。
また、出逢ったことはありませんが、まれに仏炎苞が黒紫色のものがみられるようで、クボタテンナンショウと呼ばれています。

−同じ科の植物−

 
 2006.5.27 長野県    2006.5.27 長野県
 
2007.6.16 長野県八ヶ岳     2007.6.16 長野県八ヶ岳
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