山地樹林下などに生える多年草で、高さは3〜7センチ。葉は心形で、波形の鋸歯があり、両面とも緑色。
花は直径1センチほどで、淡紅紫色、唇弁と側弁に紫条が入る。側花弁の基部は無毛。距は短かめで、赤みを帯びる。花期は4〜5月。神奈川県西部〜紀伊半島、四国の太平洋側に分布する。
〜徒然想〜
登山道脇に1センチほどの小さな“すみれ”が見えてきました。はじめはフモトスミレと思い見逃していましたが、次第に葉の形と距の赤み(紅紫色)が気になりだし、フモトスミレの記憶を辿ります。確か、距はこんなに色がついてなかったはずです。
途中で知り合った同好者に尋ねますが、その方も判らない様子。それでも小さな「伊豆の植物図鑑」を取り出し、トウカイスミレの名を導き出してくれました。
トウカイスミレは、当初東海型ヒメミヤマスミレとされていましたが、側花弁に毛がない又はまばらな毛があること、唇弁がヒメミヤマスミレに比べて長く他の花弁と同長であることなどから、その後別種に分類されるようになりました。
“すみれ”に詳しいM氏から、ヒメミヤマスミレとは花期が違うし、天城でみられるのはトウカイスミレと教えていただき、万事納得しました。
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