クロテンコオトギリ

オトギリソウ科 オトギリソウ属

 
2016.8.4 神奈川県丹沢 


ハコネオトギリ(コオトギリ)とは、葉に明点が全くなく、黒点だけをもつことが相違点で、その他の形状は変るところはない。神奈川県では、丹沢山系、箱根山系の湿気のある日当たりのよい岩場や林縁などに生える。花期は7〜8月。

〜徒然想〜

本画像は、フジオトギリとしてストックしていました。
アップにあたり神奈川県植物誌2018を参照すると、フジオトギリはオトギリソウとは茎が叢生し、細いこと、葉形が線状長楕円形で細いこと、花数が少ないことなどを相違点とし、葉には黒点のみ散布するとあります。
そして、フジオトギリに関する過去の文献にはかなりの混乱があると思われるとし、多くはクロテンコオトギリの誤認であろうと判断しています。
さらに、クロテンコオトギリは、葉に明点を全く持たず、黒点だけを持つことがハコネオトギリ(コオトギリ)との相違点であり、その他の形状は変わるところがなく、ハコネオトギリの変種レベルの扱いが適当であるとしています。「改訂新版日本の野生植物」でも同様な考えのようです。
以上をふまえ、本画像はクロテンコオトギリと判断しました。

では、フジオトギリは?  上記等の検討により少し分かってきました。
本項の丹沢の画像は湿った法面で見られ、どちらかというとひょろ長く、クロテンコオトギリでいいのではないかと思います。一方で、富士山麓では1500m付近の林内で見られ、背丈がより低いもので、フジオトギリを疑っています。
「改訂新版日本の野生植物」によれば、フジオトギリの葉は黒点と黒線があり、花弁はときに少し明線が混じるとあります。富士山麓のものがフジオトギリか、再調査に出かけることにします。

−同じ科の植物−

2016.8.4 神奈川県丹沢    2016.8.4 神奈川県丹沢 
 
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 2018.7.24 静岡県富士山麓    2018.7.24 静岡県富士山麓
 
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