カントウヨメナ

キク科 シオン属

 
2024.9.28 東京都三鷹市   2024.10.11 東京都府中市


山野の湿った所などに生える多年草で、高さは50〜120センチ。茎に疎らな毛がある。葉は互生し、披針形〜卵状長楕円形で、上部の葉はほぼ全縁、下部の葉は縁に少数の深い鋸歯がある。質はやや薄くて光沢はなく、ざらつかない。
頭花は直径2.5〜3センチで、白色〜淡紫色の舌状花と黄色の筒状花からなる。総苞片は3〜4列。痩果は長さ2〜3ミリの扁平な長倒卵形で、稜に腺毛がある。冠毛は長さ0.25ミリと極めて短い。花期は7〜10月。本州関東地方以北に分布する。

〜徒然想〜

東京に住むものとして、関東の名が付く野菊を調べてみました。カントウヨメナの名は、西日本に生えるヨメナに似ていて、主に関東地方に生えることから付いたものです。
関東地方にはよく似たノコンギクやユウガギクがあります。ノコンギクは頭花が散房状に付くこと、葉の両面に短毛があってざらつくこと、総苞が半球状で片の先が紫色を帯びること、冠毛が長いことで区別できます。
ユウガギクとカントウヨメナはよく似ていて、花の外見では区別できません。一般的には下方の葉の切れ込みが小さいのがカントウヨメナで、ユウガギクは切れ込みが深い葉が混じります。
痩果の違いを比べると、カントウヨメナの方がやや細長く、肩に腺毛が多いように思えました。冠毛はいずれもごく短いです。
ある学術員の方に聞くと、痩果を比べるのもいいですが、分枝した柄が横広がりになるのがユウガギクで、あまり分枝せず弱々しく斜上するのがカントウヨメナと覚えた方がいいですよと、アドバイスされました。

−同じ科の植物−

2024.9.28 東京都三鷹市
花茎には曲がった毛がありました
 
  2024.9.28 東京都三鷹市
総苞は杯型
 
 
 2024.10.11 神奈川県川崎市
冠毛は短いです
   2024.10.11 神奈川県川崎市
冠毛は見えません
 
 2024.9.28 東京都三鷹市
上部の葉は全縁です
   2024.9.28 東京都三鷹市
下部の葉は少数の鋸歯があります
 
 2024.9.28 東京都三鷹市
ざらついているように見えますが、触りは柔らかいです
   2024.9.28 東京都三鷹市
葉表
 
2024.9.28 東京都三鷹市
ざらついているように見えますが、触りは柔らかいです
  2024.9.28 東京都三鷹市
葉裏
 
 ユウガギクの痩果 2024.9.29 東京都三鷹市
毛はありますが、腺毛でないようにみえました
   2024.9.28 東京都三鷹市
痩果 やや細長く、肩付近に腺毛があります
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