山地の林下、林縁などに生える多年草で、高さは30〜60センチ。花序は葉より先に開く早咲きタイプ。葉は2個、小葉は7〜13枚で、小葉間の葉軸はやや発達する。小葉の幅は狭く、ふつう無斑。
仏炎苞は淡褐色〜黄褐色で、筒部口辺部は耳垂れ状に開出する。舷部上半部の縦の白条はあまり目立たない。付属体はやや太い円柱状。果実は夏に赤熟する。花期は4〜6月。富士山周辺〜箱根に分布する。
〜徒然想〜
「日本産テンナンショウ属図鑑2018」、「改訂新版日本の野生植物」では、ヒガンマムシグサに本種とヨシナガマムシグサを合わせ1種として扱われています。
ハウチワテンナンショウはヒガンマムシグサの1タイプということになりますが、産地は富士山〜箱根であり、同地にヒガンマムシグサは出現していません。
本項の画像は富士山で撮影したので、また将来的には分かれる可能性も予感されるので、ここでは別種としました。
感触的には千葉県で撮ったヒガマムシグサよりも仏炎苞の色が白く、イナヒロハテンナンショウを想わせ、美しいと思いました。
本画像は、葉幅が広いタイプのようです。
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