山地の林内などに生える多年草で、高さは30〜60センチ。茎葉は3〜4個が互生し、2回3出複葉、頂小葉は楕円形〜狭倒卵形、先は尖り、基部はくさび形で全縁。両面とも毛がなく、裏面は白色を帯びる。
花は茎頂に1個上向きに咲き、直径4〜10cm。花弁は5〜7個、白色で半開し、芳香がある。雌しべは普通3個、花柱の先は赤くて、短く外に曲がる。花期は5〜6月。北海道〜九州に分布する。
〜徒然想〜
さすがは四国の山と、感動する出逢いになりました。関東近辺では、なかなかこれほど多くの株に出逢うことはありません。
山は森と静まり、身が洗われるほどの清らかな空気が流れます。日が傾きかけやや暗くなってきた森の中に、ぼーっと白い花が輝きます。幻想的な白い輝きです。
ヤマシャクヤクとベニバナヤマシャクヤクは、都会人には植物園でしか見られなりました。高尾山で一通りの撮影を終えて帰り支度をしていると、傍らで休んでいる登山者がヤマシャクヤクを見てきたとの話をしていました。
話からおおよその場所は分かったので、もう一度山に引き返した。が、思い通りにはいきません。それらしいところを探したのですが、見つかりませんでした。しっかりと場所を聞いておけば、と反省です。
ようやく関東周辺でも出逢うことができました。富士山麓の深山です。やはり森は深閑とし、その中にぽつんと2株が静かに咲いています。雰囲気は四国の山と同じです。
純白の花は、この花特有の落ち着いた気持ちにさせてくれます。
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