山野の湿った草地などに生える多年草で、いちじるしく変化に富み、高さ20〜70センチ。直立して上部はよく分枝し、茎は無毛あるいは伏毛か開出毛がある。根生葉は1〜3個で、葉身は五角状腎形、3全裂、浅く切れ込む。両面にまばらに伏毛がある。茎葉は3全裂、短い葉柄があるか無柄。
花は2〜5個がまばらな集散花序につくか単生し、黄色で直径1センチほど。集合果はほぼ球形で、直径1センチほど。痩果の嘴は強くカギ状に曲がる。花期は4〜10月。日本全土に分布する。
〜徒然想〜
シマキツネノボタンを見直す過程で、キツネノボタンの仲間について再検討してみました。
キツネノボタンは、基準種をヤマキツネノボタンとし、両者は同種との考えが一般的です。
「改訂新版日本の野生植物」では、両者をキツネノボタン(ヤマキツネノボタン)として収載しています。
「神奈川県植物誌2018」では、ヤマキツネノボタンは茎に斜上毛が多いものとされていましたが、毛の多少は連続的に変化があり、明瞭な識別ができないとして見直しがされています。
ケキツネノボタンは前者とは別種で、全体に開出毛が多く、葉の切れ込みが深く、鋸歯が尖る。痩果の嘴の先がほとんど曲がらず、縁に稜があることが識別点です。
−同じ科の植物−
|