ガマ
コガマ

ガマ科 ガマ属


    2009.9.13 栃木県

北海道〜九州ほか世界中に広く分布する多年草で、池や沼などの水辺に生え、高さは2メートルほどになる。コガマは1〜1.5メートル。初夏に花茎をのばし、上部に雄花穂を、それに接して雌花穂を付ける。花びらはなく、雄花からは大量の花粉が形成され飛散する風媒花である。

〜徒然想〜 

ガマは湿原や沼などでよく見られ、因幡の白ウサギの逸話に出てくる植物です。特徴的な茶褐色の穂を付け、穂は二段に分かれています。上部の細い三角柱の部分が雄花の集まりで、その下の円柱部分が雌花の集まりです。雄花の葯は黄色で、花粉は生薬として外用の傷薬などの効果があります。毛をむしり取られた白ウサギが、ガマの穂で傷を癒すのも、昔人が同様に用いていたからかもしれません。
ガマの仲間には、日本ではガマのほかコガマ、ヒメガマが知られています。ヒメガマは特徴がありますので他との区別は容易ですが、ガマとコガマはよく似ています。穂の長さ、葉の幅、花粉などの違いで区別できます。 画像のものは葉幅があり、穂が10センチ余りありましたのでガマとしました。

その後、この仲間を見る機会があり本項を見直すと、ガマとコガマについては混乱を生じています。今までガマとして収載していたものはコガマではないかと・・・? 曖昧な画像を掲載し続けて、申し訳ないことをしていました。
ガマとコガマの違いは、コガマの方が雌花穂が短く、太さが上部より下部がやや細くなります。ガマの雌花穂はより長く、太さは一定です。とはいえ、現場で特定するには、まだ観察が十分ではありません。
また、ガマとコガマの種間雑種アイノコガマも報告されているということを聞くと、これらを分別するには不安が伴います。
今更ですが、自宅すぐ近くの野川にガマが群生していることを知りました。近々にガマの典型の画像をお届けできるものと思っています。


−同じ科の植物−
2009.9.13 栃木県 これも? 2009.9.13 栃木県
 
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 2012.9.29 宮崎県    2019.9.7 栃木県