ヤマジノテンナンショウ

サトイモ科 テンナンショウ属

 
2019.6.19 長野県   2019.6.19 長野県

山地の林下などに生える多年草で、高さは50〜80センチ。偽茎の長さは変異が大きく、しばしば全体の高さの1/2まで短くなる。鞘状葉や偽茎部は淡緑色〜淡紫褐色で斑がある。葉は2個で、小葉は長楕円形、不揃いな鋸歯があることが多い。
花は雌雄偽異株。仏炎苞は葉の展開の後に開き、筒部はやや太い筒状で淡色、口辺部はほとんど開出しない。舷部は三角状広卵形でドーム状に盛り上がり、先は短く尖り、光沢がなく、普通外面が緑色、内面が紫褐色で白条があり、時に緑色。付属体は棒状、仏炎苞の舷部に隠れ目立たない。花期は5〜6月。中部、関東地方に分布する。

〜徒然想〜

カルイザワテンナンショウを探していると、仏炎苞が幅広く、前に垂れているテンナンショウを見かけることが多くなりました。カントウマムシグサの変異の範囲内と思いながらも、撮っておくことにしました。
調べると、ヤマジノテンナンショウのようです。仏炎苞の外側が緑色で、内側が暗紫色であるのが特徴です。さらに仏炎苞が三角状広卵形(幅広い)で白条が目立ち、付属体が仏炎苞に隠れ気味なのが特徴です。

眠っているサトイモ科のフォルダから画像を探すと・・・・・・、みつかりました。当初は同定できず、眠っていた画像です。
また一つ、眠りから起こすことができました。初見の花をみつけたように、うれしいものです。

なお、カルイザワテンナンショウの同所では、花序全体や仏炎苞舷部の外面が紫色の筋が多いもの、舷部の内面が緑色のものもみつかりました。また、舷部が長く伸びるものも見つかりました。これらがヤマジノテンナンショウの変異の範囲なのか、カルイザワテンナンショウとの交雑があるのか、定かではありません。Photo Gallery参照

−同じ科の植物−

 2015.5.22 長野県    2015.5.22 長野県
 
舷部が長い 2010.6.12 長野県    2019.6.19 長野県
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