ハコネイトスゲ
カヤツリグサ科 スゲ属

 
2016.7.2 静岡県   2016.7.2 静岡県

山地の暗い林床、コケに覆われた岩上などに生える多年草で、高さは10〜20センチ。匐枝を出し、葉を叢生する。茎の基部の鞘は淡褐色。葉は極めて細く、幅0.2〜0.4ミリ。
雄小穂は線形で長さ6〜15ミリ、雌小穂は1〜2個付き、長さ4〜8ミリ、3〜6花付ける。苞は長さ5〜10ミリの鞘があり、葉身は刺状で極めて短い。果胞は長さ2.5〜3ミリで、熟すと白色になる。
()期は5 〜6月。神奈川県、山梨県、富士山麓、奥秩父、宮城県に分布する。

〜徒然想〜


近似種にベニイトスゲ、 キイトスゲ、 クジュウスゲ、 アリマイトスゲなどがあるようですが、これらとの区別は出来ていません。前記はいずれも近畿以西の分布なので、混同することはないと思われます。安易な同定で、恐縮です。
富士山麓での花観察会でした。多くの方はハコネランナガエコナスビなどの撮影に取り組んでいましたが、私はこの植物の撮影に夢中でした。当然ながら、誰も興味を示す方がおらず、横目で見られるだけでスキップされてしまいました。
糸のような葉の間から伸びた花茎になかなかピントが合わず、苦労しました。

スゲの仲間を勉強してくると、本種とするには心許ないです。いずれ再訪して再同定します。

−同じ科の植物−

    −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

ワクチン接種を終え、県境を越えた花観察をさせてもらうことにしました。富士山麓です。気になっていたイトスゲの確認です。

結論は・・・、やはりイトスゲではなくハコネイトスゲのようです。修正いたします。
葉は細くても内側に丸まることはありません。小穂の柄は長く、苞は6ミリほどの鞘があり、4ミリほどの棘状の葉身が見られます(画像参照)。
果胞は長さ3ミリほどで、透明感があります。苔生した低い法面に群生していました。
ただ、葉は多く見られるものの、有花茎はまばらに見られるのみです。


 
 
 2016.7.2 静岡県    2016.7.2 静岡県
 
葉と果胞 2021.6.8 静岡県     苞の鞘と棘状の葉身が見える 2021.6.8 静岡県
(画像にポインターをおいてください)
 
 2021.6.8 静岡県   2021.6.8 静岡県  
   もっとこの花を見る → Ptoto Gallery