オオマムシグサ

サトイモ科 テンナンショウ属

 
2024.5.24 静岡県   2024.5.24 静岡県

山地の林下、湿った草地などに生える多年草で、高さは40〜70センチ。偽茎の高さは変化が多く、時に全高の1/2程度にしかならない場合もある。ふつう鞘状葉や偽茎部は淡緑色で、ほとんど斑がない。葉は1〜2個で、多数の小葉からなり、葉軸の先が巻き上がる傾向がある。花序柄は通常葉柄部より長いか同長。
仏炎苞は葉に遅れて開き、
葉より高い位置に付く。仏炎苞の筒部は淡色で、口辺部はやや広く開出し、舷部は卵形〜長卵形でドーム状に盛り上がり、先端は垂れ下がる。内面に著しい隆起脈がある。付属体は太棒状〜棍棒状で紫褐色の斑があるか、ときに白緑色となる。花期は5〜6月。北海道南部〜本州に分布する。

〜徒然想〜

本項は、先に収載した画像に誤りがあり、削除した経緯があります。眠っていた画像を「日本産テンナンショウ属図鑑」(邑田仁ら,北隆館,2018年)を参考に本種と同定しましたが、ヤマザトマムシグサの誤りでした。
ヤマザトマムシグサは舷部が筒部に被る傾向があり、オオマムシグサは舷部と筒部の間がより広いとのことで、上記図鑑で確認、納得して削除しました。
ご指導いただいた先生には、この場にて改めて感謝申し上げます。

オオマムシグサは、宿題として探索し、幸いにも巡り合うことができました。再収載いたします。
図鑑のとおり
舷部が筒部に被るものの隙間があり、ドーム状に盛り上がり、先はより長く伸びます。舷部の内側の隆起、付属体の形状等も確認いたしました。
また、同地にはホソバテンナンショウも多く見られ、交雑を作る可能性は十分あると思われました。

−同じ科の植物−

     
 2024.5.24 静岡県    2024.5.24 静岡県
2024.5.24 静岡県
内側には隆起脈があります
2024.5.24 静岡県
付属体は淡黄色や暗緑色+斑点などいろいろ
2024.5.24 静岡県
仏炎苞は葉に遅れて開きます
2024.5.24 静岡県
湿地で4〜6株が固まっていました
2024.5.24 静岡県
ホソバテンナンショウの形質が混じるような株もありました
     
 2024.5.24 静岡県
ホソバテンナンショウとの交雑を思わせる株もありました
  
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以下はヤマザトマムシグサ(オオマムシグサと誤解していた画像)

 
 2011.5.21 長野県    2012.5.26 長野県
 2012.5.26 長野県    2012.5.26 長野県