イヌアワ

イネ科 エノコログサ(アワ)属

2025.10.20 神奈川県川崎市   2025.10.20 神奈川県川崎市
茎は細く花序は垂れていました 葉は茎に数枚互生して付けていました  


藪、林縁などに生える多年草で、高さは50〜90センチ。茎は細く斜上又は下垂する。葉は広線形で扁平。葉鞘の縁に毛があり、葉舌は低くてほとんど見えず、縁に短毛が列生する。
花序は狭披針形、長さ15〜30センチ、斜開する短枝がほぼ互生状に出て、数個〜20個の小穂をやや疎らに付ける。小穂は卵形、長さ2〜2.5ミリ、平滑で無毛。小穂の基部に小枝が変形した芒(刺毛)がある。花期は8〜10月。山形県、関東地方以西〜九州に分布する。

〜徒然想〜

この秋は、「神奈川県植物誌2018」と多摩川の神奈川県側地図を突き合わせながら、初見の植物を探してみました。カヤツリグサ科とイネ科が主ですが、ときにシロバナトゲソバなど色のある花をみつけることもありました。
本種は多摩川沿いに点在する水湿地でみつけたものですが、資料を突き合わせて探し回り、ようやくみつけるとうれしいものです。
イヌアワはエノコログサの仲間ですが、花序は、エノコログサのように円柱状にならず、ずっと疎らで長く、姿は似ていません。でも、小穂そのものはよく似ていて構造は同じで、基部に芒(刺毛)が付くのも同じです。

−同じ科の植物−

 2025.10.20 神奈川県川崎市    2025.10.21 神奈川県川崎市
 分枝するものも多く見られました 
小穂の付き方は、小枝の先に少数付けたり、分枝した長い枝の先に穂状に付けたりと、様々です
   
 
 2025.10.20 神奈川県川崎市
ほとんどが垂れ下がる状態で生えていました
   2025.10.20 神奈川県川崎市
葉はやや幅がある線形で、光沢があります
 
 2025.10.20 神奈川県川崎市
葉鞘縁にも毛があります
   2025.10.20 神奈川県川崎市
葉舌は見えず、毛状です
 
 2025.10.20 神奈川県川崎市
小穂は卵形、第1包頴は短く、第2包頴は長い
  2025.10.20 神奈川県川崎市
小穂の基部には1〜2本の刺毛があります
 
 
 参考 2024.10.24 東京都調布市(植栽)
柱頭は赤褐色、葯は黄色ですが、すぐに色あせます
   2025.10.20 神奈川県川崎市
小枝の基部には白い長毛がありました
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