日当たりのいい道端、畑、空地、河川敷などにふつうに生える1年草で、高さは20〜80センチ。葉は線形で扁平、葉舌は毛状で、葉鞘の縁に長毛が生える。
花序は円柱状で直立か先がやや垂れ、長さ3〜7センチ、淡緑色の小穂を多数付ける。小穂は卵形で緑色、長さ2ミリほど、基部に長さ5〜12ミリの緑色で、小枝が退化した剛毛(刺毛)が数個付く。第1苞頴は短く小穂の半分以下、第2苞頴は小穂とほぼ同長。第2小花の護頴は見えない。花期は8〜11月。日本全土に分布する。
剛毛(刺毛)が紫褐色になるものをムラサキエノコログサという。
〜徒然想〜
昔は「猫じゃらし」として遊んだ草も、その後は雑草、イネ科に興味を持つと立派な花に昇格します。
仲間は多く、区別は煩雑で、図鑑等と何度も見比べます。エノコログサは、花序がややまっすぐに立ち、ブラシ部分は緑色です。
詳しくは、小穂が2ミリほどで、第1苞頴は小穂の1/3〜半分以下の長さ、第2苞頴は小穂とほぼ同じ長さで小穂を覆います。葉舌は毛状で、葉鞘の縁に長毛が生える。
ムラサキエノコログサは剛毛(刺毛)が紫褐色の品種で、その他の特徴はエノコログサと同じです。ただ、紫褐色の濃淡はいろいろあり、若い株でもほぼ黒に近い紫色のものが見られ、また、茎や葉も紫褐色のものもあります。
余談ですが、「猫じゃらし」で知られた本種ですが、元来は犬の尾に似ていることからつけられた名で、漢字で書くと「狗尾草」となります。初めて知りました。
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