ハマシャジン


  マルバノハマシャジン

キキョウ科 ツリガネニンジン属


ツリガネニンジンの海岸型で、高さは30〜50センチの多年草。葉は3、4枚が輪生し、長楕円形で、葉の先は尖り、葉の縁には鋸歯がある。葉の質は厚く、艶があるのが特徴。茎の先の円錐花序に、釣鐘型の花を多数付ける。花冠の先は5裂し、淡紫色。花期は8〜10月。本州、伊豆七島に分布する。

−同じ科の植物−
 
 

ツリガネニンジンの海岸型で、海岸近くの草地 などに生え、高さは30〜60センチの多年草。母種に比べ葉が広楕円形で厚くて光沢がある。花は淡紫色〜淡青紫色で釣鐘型。花期は8〜10月。本州(神奈川県、千葉県、東京都など)に分布する。 


−同じ科の植物−
   
 2015.10.18 神奈川県   2015.10.18 神奈川県 

植物は海岸の特殊な環境に適応し、その姿を変えます。一般には葉が厚くなり、光沢が出ることが多いようです。強い陽射しと潮風への対抗でしょうか。
ハマシャジンとマルバノハマシャジンはその一つのタイプで、いずれも葉が厚く光沢があるのが特徴です。
気になるのは、その違いで、名からマルバノハマシャジンは葉が丸いということは想像できます。しかし、ネツト等で調べてみると、その違いは判然としません。
精査してみた結果が茎の毛の有無でしょうか。ハマシャジンの学名は、Adenophora triphylla var. japonica f. glabraです。マルバノハマシャジンの学名は、Adenophora triphylla var. japonica f.rotundifoliaです。違いは品種を表すglabraとrotundifoliaで、glabraは「無毛」の意味があります。
なお、分類上は両者を区別していません。

神奈川県の撮影地では両者が混在し、更にはツリガネニンジンと思われるものも見られました。難しいグループの一つです。


改訂新版「日本の野生植物」(平凡社)には、両者とも記載されていません。ツリガネニンジンの一型との見解で、分けられていないようです。
高山帯で見られるハクサンシャジンについても、低地の風衝礫地や海岸礫地にもハクサンシャジンの特徴を有するものが見られ、また必ずしもこの形質が遺伝的に固定しているわけではないため区別しない見解をとっています。
 2015.10.18 神奈川県    2015.10.18 神奈川県
 
2015.10.18 神奈川県     2015.10.18 神奈川県
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