亜高山帯の針葉樹林下に生える多年草で、高さ5〜20センチ。茎は直立し、ほとんど無毛。葉は6個が輪生状につき、葉身は倒広卵形〜菱状楕円形、両端は鋭尖形〜鋭形、無毛か疎らに伏毛がある。花のつかないものは4個が輪生する。
花は1〜3センチの花茎の先に1個の頭状花序を出し、花を付ける。花弁のように見えるのは4個の総苞片で、広卵形、普通白色で長さ0.7〜2.5センチ。中央に小花が10〜35個集まって付く。花弁は4個、雄しべは4個で、黒い子房から花柱が突き出る。果実(核果)は球形で直径5〜8ミリ、赤熟する。花期は6〜7月。本州中部以北〜北海道、稀に奈良県、愛媛県に分布する。
〜徒然想〜
亜高山の樹林帯では必ずといっていいほど出逢え、登山者を見送ってくれます。何度この花に励まされ歩を進めたことか。時々見られる群生は見事です。
葉が6枚以上になると花を付けるようになります。だから、まだ4枚の葉を付け花のない子達をみると、“来年だよ!”と、音のない声をかけます。
再び八ヶ岳に行ってきました。写真を追加します。
中に未だ白くなりきらない緑花(萼)品が多くありました。これから白く大きくなるのか、このまま緑なのかは不明です。
その後の調べで、緑花品はミドリゴゼンタチバナと呼ばれることもあるようですが、特に分けられていません。総苞片の展開時は淡緑色で、のちに白くなっていくようです。同日に撮影した画像を見直してみると、納得できました。小花の開花に従い、総苞片は白くなっています。緑色が残るものもあるようです。
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