山地の林下などに生える多年草で、高さ15〜30センチ。葉は下部では対生、上部では互生し、卵形〜狭卵形、先は鋭頭、基部は翼となって柄に続き、縁は全縁、まばらに短毛がある。托葉は膜質で、長さ2〜3ミリ。
花は雌雄同株で、茎の上部にある苞状葉に対生する。雄花の蕾は短い筒状で、開くとくるっと巻いた萼(外花被片)から淡緑色の雄しべが20〜25個垂れ下がる。花弁はない。雌花は緑色で非常に小さく、基部に1個の小苞がある。花期は4〜5月。関東地方以西〜九州に分布する。
〜徒然想〜
佐渡の山の中ではよく見られました。新緑の中でもヤマトグサの緑は良く映えます。葉腋より垂れ下がるヒゲが面白く、はじめは何だろうと思いました。花弁がなく、雄しべがむきだし状態で垂れ下がります。
日本人が初めて学名を付けた記念の植物でヤマト(日本)の名が付けられたとか。ジャポニカ(japonicum)の名前が光ります。名付けたのは著名な牧野富太郎博士です。
そういえぱ、ハキダメギクの名を付けたのも博士と聞きます。方やヤマト、方やハキダメとは・・・、いやに差をつけたではありませんか。
再びヤマトグサの撮影の機会を得たのは16年後で、牧野博士をモデルにした「らんまん」が放映された年で、何か縁を感じました。槙野万太郎がヤマトグサを目にして、「おまんは誰じゃ!」のセリフが印象的です。
咲き始めたところでしょうか、雄花は葯が付いたきれいな状態で撮影できました。でも、雌花は気付きがないこともあって、クリアーに撮影できませんでした。
小さくて目立たない雌花の撮影は、次年の宿題です。
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