ラセイタソウ

イラクサ科 カラムシ属

砂浜の縁に、特徴的な姿をした大きな葉がみえる。厚みがあり、表面に規則正しくしわが並び、何かの織物を思わせた。羅紗のように地肌が心地よさそうで、緑がうつくしい。
別の海岸では、岩の窪地がこの植物で覆われていた。

海岸に生える高さ30〜70センチの多年草で、葉は対生し、長さ6〜15センチのゆがんだ広卵状楕円形〜倒卵形。厚くて表面にしわがあり、ざらつく。雌雄同株で、雄花は細長い穂状、雌花は球状に集まって短い穂状の集団をつくる。
ラセイタソウの名は、葉の表面が毛織物のラセイタに似ることによる。
2006.10.21 神奈川県三浦半島
2006.10.21 神奈川県三浦半島(画像にポインターをおいて下さい)


ラセイタに関して:
羊の毛を紡んだ毛織物は、紀元前3000年頃にシュメール人が作り始めたといわれている。その後ヨーロッパで普及し、英国が羊毛帝国として他国を圧倒するようになった。
日本に入ってきた毛織物は、1555年(弘治元)にポルトガルの貿易船からもたらしたラシャ(羅紗)であり、藩主たちへの献上品として用いられた。武将たちこれを陣羽織にして愛用し、権威の象徴とした。
ラシャは高級品であり贅沢品として度々禁止されたが、江戸中期ごろからラセイタ(羅世板)、ゴロフクレン(呉絽服連、呉羅服綸、呉絽福林)と称する新たな布地が輸入され、明治中期まで広く一般に愛用された。ラセイタはラシャよりも地が薄く手触りが粗い。
戊辰戦争の戦士の陣羽織などにも使用されたようです