山地、丘陵地などに生える落葉高木で、高さは30メートルほどになる。葉は互生し、倒卵形〜倒卵状長楕円形、先は鈍頭、基部は鈍形。全縁で裏面は白色を帯びる。
花は枝先に上向きに咲き、直径15センチほど、芳香がある。花被片は9〜12個。花期は5〜6月。北海道〜九州に分布する。
〜徒然想〜
高尾にもこんなに静かな場所があるのかと、まるで自分だけの場所を見つけたように、うれしくなります。ゆっくりと歩を進めます。
しかし、次第に道は暗くなり、何処に続くのか不安にもなってきます。そんな中で見つけた一輪の花。ボーっと霞むように3メートルほどの高さの枝に鎮座していました。花の大きさは10センチほどでしたでしょうか。
ホオノキの名を知ったのは、しばらくしてからのことです。日本の樹木の中で葉や花が最も大きく、葉は昔から食物を盛るのに使われていました。「朴葉味噌」は飛騨地方の素朴な焼き味噌で、朴葉と味噌の香りが食欲をそそり、食したことがあります。
花の命は短くて、開くとすぐに赤い雄しべが散り初めて、数日で花は消えていきます。事実、翌週には花の跡形もなく、初めて出逢った幸運を喜びます。
−同じ科の植物−
|