ヤマオオイトスゲ

カヤツリグサ科 スゲ属

 
2021.4.16 東京都高尾山   2021.4.16 東京都高尾山


山地林下、林縁などに生える多年草で、高さは20〜40センチ。密に叢生し、匐枝を出さない。葉は幅2〜4ミリ、上面には波状の凹凸があってざらつく。根出葉の基部の葉鞘は褐色〜濃褐色。
頂小穂は雄性で線形、長さ1.5〜3センチ。側小穂は雌性で2〜3個付き、長さ1.5〜2.5センチ。苞は有鞘。果胞は長楕円形で長さ4ミリほど、嘴が長く、有毛。果()期は4〜6月。関東地方西部〜東海地方に分布する。

〜徒然想〜

これも見分けが難しいヌカスゲの仲間ですが、果胞が細身で毛があることを指標にすれば、みつけやすいかもしれません。雄小穂は緑白色で、ホンモンジスゲのように褐色にはならないことも、指標の一つです。
スゲの仲間の観察では、根元を観察することも重要で、ヤマオオイトスゲの根元の葉鞘は褐色〜濃褐色です。多少、濃淡はあるようです。
そして、根元で匐枝(匍匐枝)を確認することも必要で、本種にはありません。ホンモンジスゲやシロイトスゲには、匐枝があります。
このように、スゲの仲間の観察では、今までの花観察からすっかり視点が変わってしまいました。

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