亜高山の草地、礫地、林縁などに生える多年草で、高さは15〜70センチ。茎は直立し、茎にふつうは翼がないが、ときに幅の狭い翼がある。葉は変異に富み、長卵状三角形で、ときに鉾形、基部は浅い心形〜切形、先端は鋭頭、縁には粗い鋸歯があるかしばしば波状縁になる。
頭花はまばらな総状に付き、総苞は筒形〜狭鐘形で、長さ13〜16ミリ、総苞片は8〜9列で先端が長く尾状に斜上する。花冠は長さ10〜12ミリで、紅紫色。花期は8〜9月。長野県、群馬県の浅間山地に分布する。
〜徒然想〜
ネコヤマヒゴタイとキリガミネトウヒレンが同じとされていたり、その後分けられたりと、トウヒレン属は検討が進められている分野のようです。本種も、別の2種のトウヒレン属と共に2017年に新種発表されました。
産地における観察では、背丈は40センチほどで、茎には短い開出毛と伏せた毛があり、茎の下部には翼がありました。
葉は最上部では小さく全縁、中部では長楕円形で粗い鋸歯がありました。下部の葉は長卵状三角形で、ほこ形にくびれたり湾入するものがありました。葉は茎を抱いていませんでした。
頭花は淡紅紫色で、総苞にはくも毛があり、総苞片の先は尖り、尾状に斜上していました。
花期にはやや遅かったようで、褐色化していました。
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