山地の林縁、林内などに生える落葉低木で、高さは2〜4メートル。本年枝には褐色〜赤褐色の鱗状毛が密生する。葉は互生し、楕円形〜長楕円形、先は鈍頭、基部はくさび形、縁は全縁で少し波打つ。表面は若いうちは星状毛があるが後に脱落する。裏面は銀色の鱗状毛が密生し、褐色の鱗状毛が混じる。
花は葉腋に1〜3個垂れ下がって付き、淡黄褐色。萼筒は円筒形で子房の上部にくびれがあり、長さ8ミリほど、先は4裂する。果実(偽果)は長楕円形、長さ1.5〜2センチ。夏に紅熟する。花期は4〜6月。北海道、近畿地方以北の日本海側、愛知県までの太平洋側に分布する。
〜徒然想〜
深山のフガクスズムシソウを撮り終えて、明るい林に出たときにみつけました。トウグミかと思いましたが、トウグミの特徴は子房の上部がくびれることであり、今一くびれが浅い気がして、同定を保留していました。ナツグミと区別ができていなかったからです。
自然園でトウグミを見る機会がありました。やはり、山梨県で撮影したものは、全般的にくびれが浅いようです。
しかしながら、くびれが比較的深い花も混じること、本年枝に赤褐色の鱗状毛が見られること、葉表の毛が脱落過程にあること、撮影が6月26日でナツグミの花期は4〜5月であることなどから、ここではトウグミとしておくことにしました。
トウグミとナツグミの違いは、トウグミの葉表は星状毛であり、ナツグミは鱗状毛です。
山梨県の個体の葉表は星状毛に見えなくもありません。いずれもっとしっかりと確認する必要があります。
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