シナダレスズメガヤ

イネ科 スズメガヤ属

 
2024.9.23 神奈川県川崎市   2024.9.23 神奈川県川崎市


南アフリカ原産の帰化植物。道端、空地、河川敷などに生える多年草で、高さは60〜120センチ。茎は叢生して大株になる。葉は根生して60センチほどになり、糸状に細く垂れ下がり、内側に巻く。葉舌はごく短い毛状。茎の上部の葉鞘は平滑、鞘口に長い軟毛がある。茎の下部の葉鞘には伏した短毛が密生する。
花は茎の先に長さ20〜40センチの円錐花序となり、先は斜めに傾く。花序の枝は2〜5本が輪生、枝は開出し、先に小穂をつけ、基部に白毛がある。小穂は披針形、灰緑色でやや紫色を帯び、長さ6〜12ミリ、7(5)〜11(13)個の小花がある。第1苞類は長さ1.5ミリほど、第2苞類は長さ2.5ミリほど。花期(果期)は7〜10月。日本全土に分布する。

〜徒然想〜

夏から秋にかけて、多摩川河川敷ではごく普通に見られる植物です。きれいでもなく、イネ科に興味がなければ、気に留める人はいないでしょう。
細長い葉を叢生し、その上に長い花序を開きます。別名にセイタカカゼクサの名があるようで、花序はチャラチャラとよく風に揺れます。

この植物の同定に当たり、図鑑等をみると葉鞘口には長い毛があるとされるものの、写真を撮ってみると毛がなかったりわずかだったりして迷いがありました。よく調べてみると、上部の葉鞘口には毛が少なく、下部の葉鞘口には毛が多いようです。
花序の基部に毛があるのも特徴の1つですが、毛がないものも相当数あり、疑念が残りました。

−同じ科の植物−


 2024.10.6 神奈川県川崎市    2024.10.6 神奈川県川崎市
 
 2024.9.23 神奈川県川崎市    2024.10.6 神奈川県川崎市
小穂の小花の数はいろいろです  
 
 2024.10.7 神奈川県川崎市    2024.10.4 東京都調布市
 
 2024.9.23 神奈川県川崎市   2024.9.23 神奈川県川崎市 
葉鞘の毛は多少があります  
 
 2024.10.6 神奈川県川崎市
葉舌は毛状で短い
   2024.10.4 東京都調布市
 
 2024.10.6 神奈川県川崎市    2024.10.7 神奈川県川崎市
花序の基部に葉白い長毛が見られますが、無いものも多いです