高層湿原などに生える多年草で、高さは20〜60センチ。茎は密に叢生し、古株の上に葉を出すことを繰り返し谷地坊主と呼ばれる塊を作る。葉は線形で、ざらつく。
頂小穂は雄性で、下部に雌小穂長さ1〜2センチが付く。雌小穂は柄が短く直立する。花(果)期は5〜7月。本州中部以北、北海道に分布する。
〜徒然想〜
ヤチボウズ(谷地坊主)は、カブスゲ、ヒラギシスゲ、オオアゼスゲ、ヌマクロボスゲなど叢生するスゲ属の植物で形成されます。
密集した根茎が上へ上へと成長することと、冬季の土壌凍結と雪融け時期の流水によってできあがるということで、とっくりを逆さまにしたような、独特な形になります。時に高さが1メートルを超えるほどにもなります。
ここは、北海道のとある自然園です。入園前に「今咲いている花」の案内をみると、目的の花も花盛りのようです。そして、カブスゲの名もあります。
案内のとおり木道を進むと、右手には独特の形をした本種が連なっています。中部地方の高層湿原や北海道の湿原で見たことのある光景です。改めて、谷地坊主を観察します。
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