ホソバテンナンショウ

サトイモ科 テンナンショウ属

 
2007.4.28 静岡県伊豆半島   2007.4.28 静岡県伊豆半島

山野の林下などに生える多年草で、高さは40〜100センチ。鞘状葉や偽茎部の斑はやや赤味が強い。葉は通常2個で、葉身は鳥足状に分裂し、小葉は9〜17枚、披針形〜狭楕円形で、しばしば細鋸歯がある。偽茎部は葉柄部よりはるかに長く、開口部は襟状に広がる。花序柄は葉柄部とほぼ同長又は長い。
仏炎苞は葉身よりやや早く展開し、緑色で縦の白筋がある。筒部の口辺部はやや耳状に開出する。舷部は卵形〜広卵形で、基部がやや横に張り出し、鋭頭〜鋭尖頭、縁は時に紫色を帯び、内面には隆起する細脈がない。付属体は淡緑色、細棒状、上部はやや細くなり、直立又は上部でやや前に曲がる。花期は4〜5月。本州関東〜近畿地方、岡山県に分布する。


〜徒然想〜

何故か置き忘れてしまったテンナンショウの仲間です。既存の図鑑等に葉や付属体の特徴が記載されているにしても、迷う個体が多く、同定が見送られていたのです。
近年発行された「日本産テンナンショウ属図鑑」(邑田仁ら,北隆館,2018年)には、この仲間が明解に解説されています。一連のテンナンショウの仲間の見直しは、この図鑑が大変な助けになっています。
ホソバテンナンショウについても、ホソバテンナンショウ?(クエスチョン)として保存していた画像をこの図鑑の解説・写真と照合し、合致したものを本種としてアップすることにしました。

なお、保存画像にカントウマムシグサと思われる画像もありました。当時の混乱が垣間見られます。
そして、ウメガシマテンナンショウ、アマギミヤママムシグサ、コウライテンナンショウではないかと思われるものもありましたが、結局は本種でした。

テンナンショウ属の観察には仏炎苞の内側を見ることが重要なポイントの一つであることを教わりました。
ホソバテンナンショウは、仏炎苞の内側に細脈がなく、ツルツルしている特徴があります。
葉は必ずしも細いとは限りません。

−同じ科の植物−

 2012.5.20 静岡県富士山麓    2012.5.20 静岡県富士山麓
 
 2022.6.18 山梨県   2022.6.18 山梨県 
 
 2022.6.18 山梨県    2022.6.18 山梨県
   もっとこの花を見る → Ptoto Gallery