山地の林内、草地などに生える多年草で、高さは10〜30センチ。株を作るか、ときに匐枝を出す。茎は細くて果期には倒れる。葉は線形で、基部の鞘は赤紫色。
小穂は上部にかたまって付き、頂小穂は雄性、黒紫色で長さ5〜8ミリ。側小穂は2〜5個付き雌性で長さ5〜8ミリ。ときに雌小穂がやや離れて付くこともある。苞は鱗片状で無柄。雌鱗片は卵形で鋭頭、黒紫色で果胞より少し短い。果胞は倒卵形で、長さ2.5〜3ミリ、有毛、短い嘴があり、口部は黒紫色を帯びる。花(果)期は5〜8月。北海道〜九州に分布する。
〜徒然想〜
湿地から離れた明るい山道に生えていました。ぽつりぽつりと塊を作り、小穂は葉の上に突き出て伸びています。後日再訪すると、小穂は倒れ、放射状に広がっていました。
一方で、林の中の草地では、他の草と紛れて、特徴のある小穂だけが見えています。
小穂は茎の先端にかたまって付き、黒紫色なので、比較的目に付きやすいスゲです。
ヒメスゲの名が付いていますが、花茎の長さは15センチほどで、果実が熟す頃にはもっと長くなります。ヒメの名が似合うとは思えません。
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