海岸の砂地などに生える多年草で、高さは10〜30センチ。茎や葉は、白い絹毛が密生する。葉は線形で、茎より少し短い。
花序は茎頂に頭状又はわずかに短い枝を出し、3〜10個の小穂を密に付ける。苞は短い。小穂は狭卵形、長さ6〜10ミリ、灰褐色の鱗片がらせん状に並ぶ。鱗片は広卵形で薄い膜質、中肋は緑色で先端は尖る。柱頭は2岐。果実は広倒卵形でレンズ形、長さ1.5ミリほど、暗褐色でやや平滑。花 (果)期は8〜10月。茨城、富山県以西〜沖縄県に分布する。
〜徒然想〜
以前より湘南海岸に本種があることは知っていて、意を決して出かけてみることにしました。産地を調べるためネットで検索すると、「神奈川県の絶滅危惧種ビロードテンツキ植栽会」とあり驚きましたが、別の自生種を探すことにしました。
一度目は、ここと思われる砂浜の縁を捜し歩きましたが、あえなく撃沈、みつかりませんでした。猛暑の中歩き回った後のビールが、何よりです。
2度目は、少し暑さが和らいだ10月です。それでも、今年は残暑が厳しい。果期には遅いものの、他の花を探すついでに、本種も探すことにしました。
ビロードテンツキは、青い海を見下ろす小高い砂地に群生していました。やはり、ほとんどは褐色に枯れていましたが、わずかに色が残った花序と、葉や茎の特徴を撮影しました。
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