山地の林下などに生える多年草で、高さは10〜30センチ。花序は葉より遅れて開く。葉は1〜2個で、小葉間の葉軸はやや発達する。小葉は5〜7枚で、葉身は鳥足状に分裂し、楕円形〜長楕円形、しばしば不整な粗い鋸歯があり、白斑をもつこともある。偽茎部は葉柄部より著しく短く、時には地上に出ない。
仏炎苞は紫褐色又は緑白色で、筒部は上に開いた円筒状で口辺部は開出せず、舷部は三角状の広長卵形で前に曲がり、中央部は盛り上がる。付属体は有柄で太棒状。しばしば白色となる。果実は秋に赤熟する。花期は4〜5月。伊豆半島に分布する。
(参考:「日本産テンナンショウ属図鑑2018年」(北隆館))
〜徒然想〜
天城の名を持つ伊豆半島に産するテンナンショウです。花期はナガバマムシグサよりは遅いので、両方をいい状態で見ることはできないかもしれないと思いつつ、探索日を選びました。
案の定、産地に着くと本種は見られず、がっかりして道を戻ります。そこで見つけたのが最初の1株で、思いのほか小さくて色も紛れていたので、往路では気付かなかったのです。
小躍りしてリュックを下ろし撮影体制に入ったのは、言うまでもありません。
その後目が慣れて数株がみつかり、地上に出始めた株もみつかりました。あと1週間もすれば、多くの株が出現する予感があるひと時でした。
撮影した株は、葉が1個で、小葉は5枚でしたが、図鑑によれば、葉が2個のものも、小葉が7枚のものもあるようです。全草が緑色のものも見られるようです。
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